HIVとは
HIVとは、ヒト免疫不全ウイルス(Human Immunodeficiency Virus)の頭文字3つをとったウイルスの名称です。HIV感染症、ひいてはエイズと呼ばれる病気は、このHIVに感染することで発症します。わたし達には「免疫(めんえき)」と呼ばれる、病原体(がん細胞・ウイルス・細菌 など)から身体(からだ)を守る仕組みがあり、この免疫機能によって病気にかかりにくくなっています。しかし、HIVは免疫に関係する細胞に感染することで、気づかないうちにゆっくり、じわじわと、この仕組みを壊していくのです。
HIV感染症を治療せず放置していると免疫力が少しずつ弱まっていき、やがてはエイズを発病します。エイズになると、通常の健康体であれば問題ないような感染症やがんなどの病気にかかりやすくなってしまうのです。HIV感染症は、HIVに感染している人の分泌液(精液、膣分泌液、血液、母乳など)が、粘膜部分や傷口に接触し、ウイルスが体内に侵入することで感染します。一方で涙や汗、尿や唾液などで感染する危険性はほとんどありません。主な感染経路は、「性行為による感染」「血液感染(輸血含む)」「母子感染」です。性行為による感染の場合、コンドーム使用の有無や性交の方法によって、感染率は異なります。例を挙げると、コンドーム不使用のセックスもしくはアナルセックスの場合、感染率は0.1~1%(100回に1回)程度とされています。
エイズ(AIDS)とは
エイズとは、HIV感染が原因で発症するAcquired Immunodeficiency Syndrome(後天性免疫不全症候群 こうてんせいめんえきふぜん)のことです。HIV感染症が長期化し重症化することで、健康であれば発症しないような感染症や病気を引き起こします。AIDS指標疾患(代表的な23の指定疾患)にそれらの病気が当てはまった際に「エイズ発症」と診断されます。HIVに感染するとすぐにエイズというイメージを持っている方が多いかもしれませんが、HIVに感染していても、すぐにエイズを発症するというわけではありません。
HIV感染の予防には、性行為時にコンドーム着用をすることが重要となります。これはまた、HIV感染症だけでなく、他の性感染症(STD)予防するためにも必要と考えるべきです。
HIV感染後から
エイズ発症までの経過と症状
HIVに感染し、治療をしなかった場合に起こる可能性がある症状をご説明します。
HIV感染初期(急性期)
HIVに感染した直後はウイルスが体内で急激に増加し、2〜4週間経過すると、下記に挙げる感染初期症状が現れます。
- インフルエンザ様の症状(発熱、咽頭痛、リンパ節の腫れなど)
- 皮膚のかゆみや発疹
- 息苦しい、すぐに息切れがする
- 倦怠感
- 筋肉痛
このような症状は、発症して数日から数週間ほどで、そのほとんどが自然に消失します。加えて、全員に症状が現れるわけではありません。初期症状が風邪に似ていること、やがて自然治癒すること、無症状で済んでしまう人がいること、これこそHIV感染症が気づかれにくい原因であり、恐ろしいところです。さらには、HIV感染を確認したとき、クラミジア・梅毒など、他の性感染症と同時に感染していることが多くなっており、同時に検査をする必要があるといえるでしょう。
無症候性キャリア期
HIV感染初期から、自覚症状のない時期を無症候性キャリア期といいます。この無症候性キャリア期は個人差があるものの、数年から10年ほど続くのです。しかし、病気は体内で徐々に確実に進行していきます。無症候性キャリア期に自覚症状はありませんが、HIVを他人に感染させる能力は有している期間です。この期間に自分が感染源となる可能性があるため、注意しなければなりません。
エイズ発症
HIV感染からエイズ発症までの期間は個人差が大きく、数年の人もいれば、10年以上経過してもエイズを発症しないケースもあります。しかし、免疫力がある程度低下すると、長期間下痢が続いたり、原因不明の体重減少が起こったり、カンジダ症や帯状疱疹などが発症しやすくなったりするのです。また、健康であればかからない感染症を発症させる「日和見(ひよりみ)感染」や、「悪性腫瘍」「神経障害」なども起こります。これらの病気が、エイズ指標疾患に当てはまる場合に「エイズ発症」という診断がなされるのです。
HIVの治療方法
検査でHIV陽性となり、HIV感染症と診断された方全員が治療対象者となります。具体的な治療方法は、体内のHIVの働きを抑制し、免疫力回復作用のある抗HIV薬を服用することです。抗HIV薬は、近年まで強い副作用があり、内服しにくい薬と認識されていましたが、今では比較的副作用が少ない治療薬が開発されています。しかし、現在の医学では、HIVを体内から完全に排除する方法は開発されていませんが、以前に比べ治療方法は着実に進歩しており、HIV感染が確認されても、エイズ発症を抑えたり、通常の健康状態を維持したりすることができるようになっています。
HIVの検査費用と方法
HIV検査(自費) | 2,860円(税込) 即日検査+3,850円 |
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HIVの検査方法はHIVの抗体(こうたい)を、血液検査によって確認します。HIV感染が疑われる性行為から12週間以上経っていないと、正しい検査結果が得られないことがありますのでご注意ください。心斎橋駅前婦人科クリニックでは、プライバシーに配慮した環境で診察を行なっています。気になることやご不安がある方も安心して、当クリニックにご相談ください。
HIVとエイズ(AIDS)に関する
よくあるご質問
- 血液検査の注射針が原因でHIVに感染することはありますか?
- A.日本の医療機関で行う血液検査などで、HIVに感染することはほぼないと考えていただいて結構です。採血時に用いられる注射針・注射筒・採血管は前もって滅菌され、かつディスポーザブル(使い捨て)のためご安心ください。
- HIVに感染したかもしれないと不安でノイローゼ気味です。すぐ検査できますか?
- A.HIV感染がご不安なお気持ちはわかりますが、心配のある性行為から12週以降でないと検査結果が正しく出ない可能性があります。そのため、検査ができる時期までお待ちください。また、検査を受けるまでの間、性行為はお控えください。
- HIVは完治するのでしょうか?
- A.いいえ。HIV感染症では残念ながら現在の医学ではウイルスを除去することはできません。しかし、近年になり様々な治療薬が開発されているお陰で、体内のHIVウイルスの増殖を抑えて、免疫力を維持することが可能になってきました。万が一、HIVに感染し、またエイズ(AIDS)を発症したとしても、内服薬を飲み続けるなどの適切な治療を継続していくことで、普通の生活を送ることが可能です。また、子どもを安全に出産することも可能になりました。HIV感染症や、エイズAIDSと聞くと「必ず死にいたる」というイメージを持たれる方も多いでしょう。しかし、現在では、HIV感染症は「死なない病気」になりつつあるのです。
- 健康診断で特に問題ない場合は、HIVも陰性でしょうか?
- A.ご本人の了承なしでHIVの検査を行うことはできません。そのため、一般的な健康診断(血液検査)では、HIVを検査するための項目が入っていないのが普通です。HIV検査を希望される方は、心斎橋駅前婦人科クリニックでは検査が可能です。ぜひ、一度ご相談ください。
- HIVの検査キットを通販で買っても大丈夫ですか?
- A.インターネット通販などでは、HIVの検査キットを購入することができます。しかし、HIV感染が心配な場合は、医療機関で検査するようにしてください。検査キットは検査法がマチマチで、ご自身で採血から判定を行うこともあるため、正確に検査ができない可能性があります。また、検査キットで陽性が出ても、再度病院で検査を受け、陽性を確認してからでないと次のステップに進めません。HIVの感染が心配な方は、“医療機関で適切な時期に検査を受ける”これこそが早期発見、早期治療への最善策であり、近道といえるでしょう。
- HIVは予防可能ですか?
- A.はい。HIVはコンドームを正しく使用することで感染を予防することができます。ただし、歯ブラシ・カミソリ・ピアスなど、血液が付着する恐れのあるものは、他人と共有しないように注意が必要です。
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お知らせ
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2024/10/31
休診曜日は火曜です。 臨時休診は11月21日・12月30日・12月31日・12月19日・1月1日・1月2日・1月3日です。 ※しばらくの間、火曜日は休診いたします。(お電話は承ります)
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2024/4/1
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2023/1/5
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