不正出血の色と原因

Metrorrhagia

生理じゃないのに鮮血・茶色い血が…
どのくらい続いたら病院行くべき?

生理じゃないのに鮮血・茶色い血が出るとき

生理以外の出血=不正出血

「生理じゃないのに出血がある……!?」「濃い茶色のおりものが……」

生理期間以外に出血があると、不安になるものです。少量の出血や一度の出血なら様子を見てみようと思いますが、出血量が多かったり、出血している期間が長かったりすると、病院で診てもらおうと考える方も多いのではないでしょうか?

ここでは、そんな不正出血(=不正性器出血)について、その原因や病気について、ピルや妊娠との関係性、不正出血に関するよくあるご質問まで、幅広くご説明します。

監修医師

心斎橋駅前婦人科クリニック院長 奥きくお医師

奥 きくお医師

心斎橋駅前婦人科クリニック 院長
(産婦人科専門医)

日本産科婦人科学会専門医として、産婦人科の病院・クリニックにて研鑽を重ね、2021年02月に心斎橋駅前婦人科クリニックを開業。

不正出血とは?

生理以外の血…茶色の出血が!?

生理以外の血…茶色の出血が!?

不正出血とは、月経(生理)以外に起こる性器からの出血のことです。不正出血は、ホルモン異常やさまざまな病気によって引き起こされます。不正出血の血液の色は、鮮血を示す真っ赤なものから、茶色っぽいもの、ごく少量おりものに混ざるものまで幅広くあります。

血液は、出血後に時間が経って酸化すると、色が変化して茶色っぽくなります。つまり、茶色の不正出血は、出血して少し時間が経ったものである可能性が高いです。生理日前後の茶色い不正出血は、生理が始まる前の出血が極微量のときや、生理後の子宮内に残った血液の排出などが考えられ、それほど心配はないとされています。しかし、茶色の出血がダラダラと続くようなときは、婦人科で診察を受けた方が安心です。

不正出血の原因一覧

不正出血は、いくつかの原因に分けらます。ここからは、不正出血の原因について、くわしく見ていきましょう。

器質性出血

「器質性出血」は、子宮や卵巣、腟に何らかの異常・疾患があって起こる出血のことです。子宮頚がん、子宮体がん、子宮筋腫、子宮内膜症、膣炎、子宮膣部びらん、子宮頚管ポリープなどが、不正出血を起こす原因となる代表的な疾患です。

機能性出血

「機能性出血」は、病気や妊娠と関係なく、女性ホルモンのバランスの乱れで起こる出血のことです。ホルモンバランスが崩れやすい思春期や更年期に起こりやすくなります。

中間期出血

「中間期出血」は、月経の排卵期に起きる少量の出血で、異常ではありません。「排卵期出血」とも呼ばれます。

その他の出血

その他の出血として、妊娠初期に起こる「着床出血」や、性行為などで腟が傷ついたときなどに起こる外傷などさまざまな理由で不正出血が起こります。

ピルと不正出血の関係

ピルと不正出血の関係

低用量ピルを服用中の方が不正出血を起こすのは、決して珍しいことではありません。ピルを初めて内服する方のおよそ3割が経験するとされています。これは、主にホルモンバランスが崩れることで起こるもので、病的な意味合いはありません。避妊の効果にも影響はないので、出血が少量であれば安心して内服を続けてください。

しかし、出血の量が多いときや、2週間以上長く続くときは、医師の診察を受けた方が安心です。子宮筋腫や子宮頚がんといった病気があるのかもしれません。お早めに、心斎橋駅前婦人科クリニックにご相談ください。

妊娠でも不正出血することがある?

妊娠しても不正出血があるなんて…と、驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、生理と間違いやすい、「着床出血」について簡単にご説明します。

【着床出血】妊娠初期の不正出血

着床出血とは、受精卵が子宮内膜に着床するときに起こる出血のことを指します。受精卵が着床するときに、子宮内膜を傷つけることで起こる出血です。時期は妊娠4週頃に起こるため、生理の出血と非常に間違いやすいタイミングで起こるといえます。また、腹痛を伴うこともあり、生理と混同してしまう方も多いようです。ただし、着床出血は出血期間が長くて3日ほどであることから、「いつもの生理よりも短い?」と気づく方もいます。

もし、予期せぬ妊娠だったら…

着床出血は生理と間違いやすいため、妊娠に気づかずに妊娠週数が過ぎてしまうことがあります。妊娠を望む方であればそれほど問題になりませんが、妊娠を望んでいない方は注意が必要です。人工妊娠中絶手術(人工流産)は手術を受けられる期間が決まっており、妊娠初期を過ぎると手術は不可能になります。また、妊娠週数が進めば進むほど、母体への負担も大きくなってしまう傾向があります。

予期せぬ妊娠の可能性がある方は、おかしいなと感じたら、お早めに医師に相談するようにしてください。当クリニックでは、妊娠週数の確認から、場合によっては人工妊娠中絶(人工流産)手術まで承っております。お悩みの方は、ご相談ください。

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不正出血が起こる病気6つ

不正出血が起こる可能性のある病気はいくつかあり、注意しなければなりません。そこでここからは、不正出血が起こる病気を6つ挙げてご紹介します。

子宮頚がん

「子宮頚がん」は、子宮頚部(子宮の先端部分)に生じる「がん」です。HPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスに感染し、時間が経つことで発症することがわかっています。性交渉の経験がある女性の多くが、このウイルスに一生に一度は感染すると言われていますが、ほとんどの場合は免疫の力で自然に排除されます。しかし、排除できず長期間感染が持続した場合、気づかぬうちに「子宮頚がん」になってしまうことがあるので、定期的に子宮頚がん検診を受けることが大切です。

子宮体がん

「子宮体がん」は、子宮体部(しきゅうたいぶ)にできるがんのことです。子宮体がんは、エストロゲン(卵胞ホルモン)という女性ホルモンが影響して発症する場合が多いです。閉経前後の女性に多く発症し、エストロゲンが子宮内膜の発育を促し、「子宮内膜増殖症」を経て子宮体がんに進行します。更年期や閉経後に不正出血がある場合には、お早めの受診をおすすめします。

ポリープ

「ポリープ」は、子宮の内部や子宮の頚部に生じるできものです。特に子宮頚部にできる頚管ポリープは、不正出血が起こる原因になります。頚管ポリープのほとんどが、その場で麻酔なしで痛みなく摘除できます。子宮内部に起こる内膜ポリープは、女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の働きで子宮内膜が異常に増殖することで生じ、無症状のことがほとんどですが、着床障害やごく稀に子宮体がんに発展する可能性があるため、超音波検査など定期的な検査を受けることが大切です。

子宮筋腫

「子宮筋腫」(しきゅうきんしゅ)は、子宮にできる「こぶ」のような腫瘤(しゅりゅう)です。このこぶは、筋肉成分が異常に発達したもので、女性ホルモンの影響で発育しやすくなることがわかっています。子宮筋腫は、30歳以上の女性で4人に1人、40歳以上の女性で3人に1人の割合で発症するとされており、腹痛・貧血・不正出血などの症状が現れるケースがあります。筋腫ができる場所や症状によって、治療をすべきか否か決定します。しかし、子宮筋腫は不妊や流産の原因になる可能性があるため、妊娠を希望される方は早めの超音波検査をおすすめします。

子宮内膜症

「子宮内膜症」は、子宮の中だけに存在するはずの子宮内膜が、卵巣や子宮の表面、腹膜にできてしまう疾患です。症状として、激しい生理痛が起こることでも知られています。生理痛は腹痛だけでなく、腰痛が起こることも多いです。また、不正出血も起こりやすく、性交痛・排便痛を起こすこともあります。

クラミジア感染症

クラミジア感染症は、「クラミジア・トラコマチス」という細菌が原因で起こる性感染症です。日本では最も多い性感染症(性病)として知られています。クラミジア感染症にかかると、子宮頚管炎(子宮の入り口の炎症)を起こし、おりものの増加や、不正出血が起こりやすくなります。

不正出血は
どのくらい続いたら病院に行くの?

一般的に2週間以上出血が続く場合は、止血処置が行われます。しかし、出血を2週間も放置しておくのは、不安が伴うものです。そのため、不正出血がある場合は、あまり放置せず、病院を受診すると良いでしょう。下記に当てはまる方は、お早めに受診を検討してください。

  • ・出血量が多い
  • ・強い痛みを伴っている
  • ・不正出血を繰り返している
  • ・閉経後なのに、出血している
  • ・2週間出血が持続している

不正出血で腹痛がある場合は?

不正出血を伴い、腹痛がある場合は、何らかの異常が身体に起こっていることが多く、早く医療機関を受診したほうが良いことが多くなっています。特に子宮外妊娠など、迅速な処置が求められことがあるので、要注意です。

不正出血があるときの検査方法と費用とは?

不正出血があるときの検査方法と費用

不正出血があったときに調べておきたい検査は、下記の通りです。特に子宮頚がん・子宮体がんは不正出血を起こす病気の中でも、命にかかわる疾患。そのため、がんのチェックはしておかなければなりません。また、子宮・卵巣の状態を確認しておく必要があり、経腟超音波検査も欠かせない検査といえるでしょう。

実際に、どんな検査を行うかは、患者さんの症状や出血の状態によって異なります。ここに挙げていない検査を行う可能性もありますので、あらかじめご了承ください。不正出血の保険診療の費用は以下の通りです。

子宮頚がん検査 約1,200円
子宮体がん検査 約2,000円
超音波検査 約1,600円
ホルモン検査 約2,000円~

ストレスでも不正出血が起こる?

「不規則な生活」や「強いストレス」が続くと、不正出血を起こすことがあります。これは、生活習慣の乱れやストレスがホルモンバランスの乱れを引き起こすためです。ホルモンバランスが乱れると、生理のメカニズムがうまく作用しなくなってしまいます。極端なダイエットをしたときも同様にホルモンバランスが崩れてしまうので、要注意です。

出血が続くときは要注意!
すぐに受診を!

不正出血は、出血が起こっているときに受診すると原因がつかみやすくなります。そのため、出血が収まってから受診するのではなく、出血しているときにご連絡ください。少しの出血でも、生理ではないときの出血は不安を伴うものです。不安を解消するためにも、病気の早期発見のためにも、早め早めの行動を心がけてみてはいかがでしょうか?

心斎橋駅前婦人科クリニックはさまざまな不正出血に対応しております。お気軽に、ご相談ください。

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不正出血のよくあるご質問

性行為後によく出血します。受診した方がいいですか?
A.はい。性行為後に出血がある場合には、多くは腟内の炎症や子宮頚部の炎症などが考えられます。しかし性感染症にかかっているケースや、がんの初期も想定されるため、お早めに心斎橋駅前婦人科クリニックにご相談ください。
不正出血がどのくらい続いたら病院へいくべきですか?
A.あまり期間を気にせずに、おかしいと感じたらすぐに受診することをおすすめします。少しだから大丈夫、1回だから大丈夫と様子を見ているうちに、病気が進行している可能性も否定できません。いつもと違う、異常を感じたら、医療機関を受診するようにしてください。
不正出血があって、力むと鮮血が出るのは病気ですか?
A.一概に病気であるとはいえません。しかし、力を入れると鮮血が出る場合は、出血量が多いことが想定されます。月経の周期が乱れているのであれば、急を要するとはいえないケースもありますが、そうではない不正出血の場合、鮮血が"大量"に出るのであれば、なるべく早く止血しなければなりません。できるだけ早く、お近くの婦人科を受診してください。もちろん、心斎橋駅前婦人科クリニックでもご対応は可能です。
不正出血が一週間続いたら病気ですか?
A.一概に病気であるとはいえませんが、一週間という長期間に渡る不正出血は、お身体のどこかに異常があるのかもしれません。どんな血液の性状で、その程度の出血があるのかわかりませんが、なるべく早いタイミングで婦人科受診をおすすめします。心斎橋駅前婦人科クリニックでもご対応は可能ですので、お気軽にご相談ください。

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